公募研究

渡辺G 
植物クチクラ層を基盤とする植物-微生物共生のダイナミクスとメカニズム

研究の概要

陸上植物の地上部は多様な脂質成分から構成される疎水性のクチクラ層に覆われている。クチクラ層は、微生物が利用可能な水分や栄養源に乏しい過酷な環境であるが、外界から植物に作用するための第一の標的でもある。代表者らは、ある種の植物常在菌がクチクラ層の主成分であるクチンを分解し、分解産物のω-ヒドロキシ脂肪酸を炭素源として生育できることを初めて見出した。このことから、陸上植物に普遍的なクチクラ層をエネルギー源とする微生物ダークマターが存在し、高度な共生関係を構築するという着想を得た。本研究課題では、[I] クチクラ層に常在する微生物ダークマターを発掘するためのポストコッホ技術を確立すると共に、[II] クチクラ層を介した植物-微生物間相互作用の分子メカニズムの実体を解明することを目的とする。陸上植物の地上部から地下部ならびに表層から体内に至る微生物ダークマターの生態と相互作用、その意義についての統合的な理解を目指す。

研究チーム

研究代表者

渡辺 大輔 (奈良先端科学技術大学院大学)