これまで膨大なゲノムデータがシーケンスされてきた一方、その遺伝子の大多数は機能未知であり、その機能を推定する情報科学的手法開発は重要な研究課題である。遺伝子は他の遺伝子と協調して機能を発揮する事が多いため、サンプル間 で共起する遺伝子は機能が類似していると考えられ、この考えに基づく機能推定手法(系統プロファイル法)が利用されてきた。ただし、従来の系統プロファイル法は擬似相関を多く検出するいう問題点が存在していた。応募者は前回の公募研 究にて、逆イジング法を利用した高精度な系統プロファイル法を開発した。ただし本手法は遺伝子の存在量を連続値で表すメタゲノム解析には適用できないという問題点がある。また、大規模なメタゲノム遺伝子表データセットを構築するた めには、より高速なオーソログ推定手法が必要である。これを踏まえ本研究では (1)超高速オーソログ推定手法の開発、及び (2)高精度なメタゲノム系統プロファイル法の開発、について研究を行う。