公募研究

西村G 
未培養系統群CPR/DPANNが優占する生態系のポストコッホ解析

研究の概要

CPRとDPANNはメタゲノム解析により近年発見された、それぞれ細菌と古細菌の巨大未培養系統群である。これらの微生物は生存に必須な物質を合成するための遺伝子をほとんど持たず、他の微生物に共生していると考えられている。CPR/DPANNは主に深層地下圏に優占しているが、このような環境に生息する微生物のバイオマスは全原核生物の4分の3にも及ぶと推定されている。しかしCPR/DPANNの基本的な生態、すなわちCPR/DPANNがどんな宿主と、どのように共生生活を営んでいるかはほとんど未解明である。そこで本研究ではCPR/DPANNが豊富に生息する地下水に対してメタゲノム解析を実施する。復元されたゲノムから微生物同士の物質的なやり取りや遺伝子水平伝播を推定することで、CPR/DPANNの宿主や、共生関係を成立させているゲノム的基盤を明らかにする。さらに本研究で得られた知見を先行研究と照らし合わせることで、他者に依存する微生物が優占する生態系に共通している成立要因の解明を目指す。

研究チーム

研究代表者

西村祐貴 (東京大学)