公募研究

美世G 
バクテリア・アーキアの種内多様性に光をあてるポストコッホ生態系メタゲノミクス

研究の概要

環境微生物の研究を困難にする重大な要因として、遺伝子水平伝播や世代時間の短さに原因する"種内多様性"の高さを挙げることができる。系統的に極めて近縁な菌株同士であってもゲノムや表現型が大きく異なることは多々あり、環境微生物の生理生態・群集機能の予測や制御の妨げになっているのが現状である。他方、これまでの種内多様性研究は、豊富なカルチャーコレクションに依拠するものがほとんどであり、難培養のものを含む多様な微生物からなる、複雑な生態系における種内多様性の実態はつまびらかでない。本研究では、微生物系統情報と既知ゲノム情報、大規模メタゲノムデータを組み合わせ、微生物群集内の種内多様性・種間多様性を定量的に明らかにする手法を開発する。さらに本手法をさまざまなメタゲノムデータを解析し、複雑な微生物生態系において、微生物の種内多様性がどの程度見られ、微生物群集機能をどのように規定しているのかを明らかにする。

研究チーム

研究代表者

美世一守 (産業技術総合研究所)