甲斐G
目立たない分子から探るポストコッホ型異種微生物間相互作用
研究の概要
微生物が生産・分泌する二次代謝産物の多くは、生態学的な機能が未知である。特に、目立たない分子は「ゆるい」生物活性が主で、強烈な生育阻害などを指標としてきた従来の天然物化学・微生物生態学からは抜け落ちてきた可能性が高い。本研究では、AspergillusやFusarium属などの代表的な真菌類に対して形態変化を引き起こす、すなわち相互作用の場である真菌菌糸に物理的な変化を与える目立たない分子(ポストコッホ分子)を探索する。さらに、これらの分子が示す「ゆるい」生物活性の生態系における重要性を検証する。具体的には、①現有のポストコッホ分子候補の作用機序解析、②新規ポストコッホ分子の単離・構造決定、③ポストコッホ分子の生態学的機能の解析、を行う。