公募研究

前田G 
腸内マイクロバイオームの大規模継代培養による栄養共生関係の解明

研究の概要

自然界では、数百種類以上の微生物種が共存しており、実験室における純粋培養とは環境が大きくかけ離れている。異種が共存している環境では、代謝物の交換等の複雑な栄養共生関係が築かれており、このような関係は、マイクロバイオームの構成や機能を決定する重要な要素である。一方、環境や腸内に生息している微生物の中にはその生育に共生パートナーを必要とするものが多く、このような種は現在の培養技術では培養が困難である。マイクロバイオームをある環境において十分な期間継代培養すると、培養可能な微生物種と共に、そのような種を共生パートナーとして生育に必要とする種も一緒に増殖し、共生関係にある細菌ペアが濃縮されると考えられる。そこで本研究では、腸内マイクロバイオームの大規模継代培養実験を行うことで、腸内細菌間における栄養共生関係の解明と、未分離新種のリソース化を目指す。

研究チーム

研究代表者

前田智也 (北海道大学)

研究協力者

古澤力 (理化学研究所・東京大学)