公募研究

本田G 
微生物間相互作用から解き明かす大腸菌ゲノムに残された機能未知遺伝子の生理的役割

研究の概要

大腸菌はこれまでに最もよく研究されてきた(であろう)微生物である。しかし、そのゲノム上にコードされた遺伝子のうちの約30%については、いまだに明確な機能が明らかにされていない。本研究では、これらの遺伝子の機能解明が進んでいない原因のひとつが、純粋培養に立脚した従来型の研究手法にあるとの仮説に基づき、異種微生物との相互作用時に特徴的な発現変動を示す大腸菌遺伝子に焦点を当てる。乳酸菌などの異種微生物との共培養時に特異的に発現する大腸菌遺伝子を抽出し、各種オミクス解析と古典的生化学実験を併用することで、それらの機能を解明する。 大腸菌は、有用タンパク質の発現宿主や代謝工学におけるシャーシ株などとしても汎用される微生物である。その機能未知遺伝子の役割を明らかにすることで、基礎生物学的知見を広げることはもちろん、合成生物学で利用可能な生体分子ツールを拡充することにも貢献する。

研究チーム

研究代表者

本田孝祐 (大阪大学)