公募研究

菅野G 
RNA調製技術の高度化が明らかとする植物体内の共生生態系の機能実態

研究の概要

植物体内や植物表面には未知・未培養微生物を含む膨大かつ多様なバクテリアが存在して、宿主植物の形質に影響を及ぼすことが知られる。これら共生微生物群の生態系機能を真に理解してその重要性を議論するためには、「微生物叢が発現する機能情報を如何に個々の構成微生物種のゲノム情報に紐づけるか」が決定的に重要である。しかしながら、従来の植物試料からのRNA解析では、宿主に由来するRNAが抽出RNAの大半を占めるため、特に植物体内の微生物の遺伝子発現情報を網羅的に取得することは技術的に困難であった。そこで本公募研究では、宿主植物と共生バクテリアのRNA構造の違いに着目した新しいRNA調製法を試験適用し、植物試料由来の環境RNAから微生物mRNAを集積する新規技術の開発を目指す。本研究の遂行により、食料増産や農耕地の環境制御に貢献しうる"植物共生時の微生物群集ならでは" の隠れたポストコッホ機能情報が効率的に見出されるものと期待される。

研究チーム

研究代表者

菅野学 (産業技術総合研究所)